能力別学習・習熟度別学習

職員室で「伝えたいことが伝えにくいんですよね〜」とfuruさんがつぶやいていたので、私からも補足します。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/furu-t/20101122
 
私はブログで何度か習熟度別学習という名の能力別学習に対しての批判をしてきました。それは今も変わりありません。子どもの能力を規定し、能力別のコースに分けて(しかもそれがウサギコースだとか、タヌキコースだとか子どもを馬鹿にしているとしか考えられないような幼稚なネーミングで)学習するなんてナンセンスです。
 
しかし「学び合い」の究極形態は、能力別学習だと考えています。これは長期的に「学び合い」をしていると子どもが能力別に分かれていくことからも分かります。もちろん「緩く」別れるということです。学力の低い子どもにとって高い子どもの話はちんぷんかんぷんです。しかし、自分のレベルに近い子どもの話は、手が届きます。そして自分が話す機会も増えてきます。
 
もし、これに「クラスみんなが」を強力にかぶせると、できる子どもが責任を負って、話を通しにくい子どもにずっと関わることになります。我々が研修で理解できないことを理由に、周りを数人の指導主事に囲まれて、口々に説明を受けているようなものです。
 
「学び合い」を始めたばかりなら「みんなが」を強烈に求めることもよいことでしょう。できない子どもが出来るまで、待つこともよいことでしょう。でも、子どもたちが「このクラスを大事にしたい」という思いが出てきているのであれば、もっと緩いつながりでよいのだと思います。
 
その方が下位の子どもたちも楽に学習できます。そして、レベルの近い子どもとの双方向の情報伝達で理解はちゃんと進みます。
 
今年の実践でも今結果をまとめているところですが、上位の子どもと下位の子どもが頻繁に関わり合った場合、下位の子どもの成績は向上していません。一方、下位の子ども同士で学び合った場合の向上はかなり高いのです。
 
私もfuru-tさんも単元を解放している(単一時間でそれぞれがバラバラの場所をバラバラのレベルで授業している)ので、能力別でレベルを変えるのはごく当たり前のことなのです。
 
私のクラスもだいたい子どもの学力が見えてきているので、算数などはより能力別に今後は分かれていくでしょう。苦手な子どもは、何度でも分かるまで。もっと頑張りたい子は、より難しい学習を。でもその両者の関係は決してきれない。そんな授業・人間関係は可能です。
 
「ゆるめるバンジージャンプ」の効力がここにあるのです。