「学び合い」が広がらない理由

それは「需要がない」からです。
 
実践されている先生は「志」を持っているからやっているのです。
「志」とは、「子どもをこのように育てたい」「こんな社会にしたい」という思いを持っているからです。そしてそれは近未来を見ています。
 
「そんなはずがない!」
 
そう思われる方もいるかもしれません。でも周りの先生に聞いてみれば分かります。「学び合い」なんてしなくても子どもの学力を付け、子どもを成長させることができている(できる)と思っているのですから。
 
ですから需要がないのです。今はね。
 
学びの共同体が広がったのは前々回の学習指導要領で、学力の転換が叫ばれたこととリンクしています。「新しい学力観とは何か?」全国の教師がその答えを求めていましたから、「需要」があったのです。ですから一気に広がりました。
 
今は「ゆとり教育」の反省をメディアが促しているので世の中は基礎学力の向上に需要が出ています。ですから手っ取り早い効力や昔からの学力向上、例えば読書・漢字の読み書き(こんなテレビばっかりでしょ?)に力が注がれます。
 
今は「学び合い」の需要とは、「困っている」教師の中で、志を持っている教師だけです。 経済社会のように需要がなければそれは社会に浸透することはありません。
 
じゃあ需要はやってくるのか? やってきます。それは日本の課題はあまりに大きいからです。少子高齢化自由貿易国際貢献・環境・医学・軍事これらのかからる問題を従来の教育のシステムで乗り切ることは無理です。今の教育が社会の中で対応できなくなったときに初めて「学び合い」のような教育観に需要が生まれます。
 
私? 私はそれを待たないうちに手を打ちたいと思っているから子どもを育てているのです。