僻地教育

twitterに僻地教育について話が出ていたので少し。
 
私は僻地の統合に本音は「大反対」です。「それ」を目の当たりにしたからです。
 
「それ」とは、地域のコミュニティーの崩壊です。
もしも、ある地域に昔から大事にされていた鎮守様が
一カ所に集められるという話がでれは、その地域の人はどう思うでしょう。学校とは、子どもと地域の「コミュニティー」なのです。
廃校となる学校のほとんどは、創立130年を越える学校なのです。
 
数年前に5校の統廃合に携わりました。全国に先駆けた新しい教育実践の場として選ばれた学校です。その地域に統合1年前に赴任して準備を重ねました。そして統合。全国から多くの見学者であふれかえりました。
 
しかし、勤務し廃校となった地域はどうなったでしょうか。
地域のシンボルであり、コミュニティーであった学校が無くなったのです。想像以上に悲惨で衝撃を受けました。統廃合するような地域は、老人が子どもの数倍いるような地域です。そうした人々は子どもと触れ合うことを楽しみに、子どもの声を聞くことを生き甲斐にしている人々です。
 
統合した学校で、教務をしていた私はこの現状を打破しようと懸命に
学校と地域をつなごうとしました。しかし、遠く数キロ〜10キロも離れた学校に足を運ぶ人は限られました。
 
明確なのは、学習発表会でした。あんなに楽しみにして座布団を持参してきた、おじいちゃんおばあちゃんが統合小学校では姿を消しました。
 
国の財政は切迫しています。だから統合することは仕方のないことでしょう。しかし、分校化(分校化で管理職の人件費が削れます)と異学年の「学び合い」によって(1〜2人で全校生の授業を構築できます)、学校を存続させられる可能性はまだあるのです。子どもにとっても地域の人々との「学び合い」という可能性も秘めています。
 
そのために税金の上がることは仕方のないことなのだと私は思います。