ツケ

低学年の見かけの学力を上げるのは非常に簡単です。
別に「学び合い」でなくても、訓練すればそれ相当の結果は残せます。
だって、教えれば「できる」のですから。例えば算数では10時間かけるべきことを「方法」で追い込んでいくと5時間ほどで「できる」ようになります。宿題をドリルでやらせれば、まさに完璧です。
 
クローズアップ現代を見逃しました。
(ビデオ撮ってたら誰かかしてください〜)
 
内容をみると4年生の「壁」と題されていました。こんなの当たり前のことです。
 
2年生の算数というと「九九」です。しかし、「九九」そのものは算数ではありません。そんなの幼稚園児でもやれることです。教科書をよく見れば、5年生でも分からない子どもが2割がいる小単元があります。倍とかけ算です。ここで、線分図がでてきます。考え方を図で表すことも出てきます。「学び合い」でも「九九」ができることに時間を使うべきではありません。九九の仕組みやこうした「考え方」に時間を使うべきです。(だから強烈な教材研究(教科研究)が必要なのです)
 
そして、上学年になってきて、教師も子どももその「ツケ」を払うことになります。
 
教師が払う「ツケ」ならまだましですが、子どもが払わなければならないツケは後戻りができにくいのです。「学び合い」は、ツケの部分から戻って学習できるので、子どもにとっては安心できることでしょう。そうでない子どもは「馬鹿だ」ということの烙印を教師からも、周りの子どもからも、そして自分からも押されてしまいます。
 
学習は、その子どもの脳の発達にかなり依存します。小学校時代はその発達に学習の進行度が大きく左右されることがあります。しかし、みんなと楽しく分かり合えるという楽しさと、みんなが支えてくれるという安心は常に学習に対してポジティブに働きます。
 
本クラスの子どもも、まだその「ツケ」を払い終えられません。非常に苦戦しています。でも一つ一つ時間をかけて、何度も戻りながら「取り戻す」作業をしています。