保護者のできること

2学期保護者に配布するお便りです。
 
保護者の皆さんの願いは「よい子どもに育って欲しい」ということでしょう。「よい」は「賢く」であり、「優しく」であり、そして「健康に」であることでしょう。
学校で子どもを育てることは、私の教師としての仕事です。ですから子どもたちにどんな教育を施していかなくてはならないかを常に考えています。それは「学習」だけでなく、「人として」でもあります。ですから教育は難しく、楽しいものなのです。
では、保護者のみなさんはこの教育に対して何ができることでしょうか。「学び合い」に授業を切り替えてからずっと考えてきましたが、最近ようやく見えてきました。
保護者のみなさんにとって自分の子どもを「よく育てたい」と思うのなら、「このクラスをよくすること」を実践するのです。うちのクラスでは子どもは子ども同士の人間関係で学び、人との関わり方を覚えてきています。それならばよその子どもをどんどん褒めてあげればいいんです。
自分の子どものよいところは実は見えにくいものです。悪いところばかり目について、「ダメなのよね!」と言いがちになります。でも、他の子どものよいところは見えやすいのです。
読み聞かせをしてくださっている、○○さんも○○さんも実によく、子どもの聴き方を褒めてくださります。その褒め言葉で子どもの姿が変わります。これが、全保護者から声が集まればどうなることでしょう? 出来るだけたくさんの人の声が子どもに集まれば集まるほど、子どもの立ち振る舞いは変わります。クラスがどんどんよくなれば、当然自分の子どももよくなるのです。
もし、自分の子どもにばかりこだわれば、何か問題が起こったときに、自分の子どもを責めるか、よその子どもを責めることでしか合理化できなくなります。
「学び合い」では、一人一人の目配せよりも、クラスの立ち振る舞いに力を注ぎます。保護者のみなさんも自分のお子さんをよく育てたいのならばこの「学び合い」の考え方に乗ってみませんか?
「じゃあ、私に何ができるの?」 
私はいろんな方法が考えられます。でも、保護者のみなさんの考える方法を集めた方が遙かによいことが出来そうな気がします。