「学び合い」と授業公開とプリウスと。

プリウスが発売されたのはかれこれ12年になります。当時ハイブリットがいかに画期的だったか言うまでもありませんが、赤字で販売されたと言われていても、同じ車格のカローラから見ればかなり高いものでした。ですから飛びついたのは「アーリーアダプター」の人々でした。新しいもの非常に関心の高い人々です。そこから12年かけて、トヨタは膨大な広告費と膨大な研究開発費を投入して、現在の3代目を発売しました。そしてご存じのように爆発的に売れています。今も道路を眺めていると20台に1台くらいはプリウスが走っているような気がします。
 
「学び合い」はプリウスのようなものだと思います。革新的で、敷居が高い。よいことが分かっていてもなかなか手が出ない。むしろ「そんなもの買わなくても現状の車で満足ですよ〜」という状態です。中には、そんなの買うの馬鹿みたいと毛嫌いする人もいることでしょう。
 
トヨタは「膨大な」広告費を投入して未来に投資しました。さらに今年からは「国」もエコカー減税で後押しします。それで爆発的な販売に繋がっていきました。もうこれからの車は何かしらの燃費対策がないと売れない時代になっていくことでしょう。
 
さて、「学び合い」に戻ります。私たちにはトヨタのような膨大な広告を打つことはできません。国からの支援もありません。一人一人は、町工場の職人のレベルです。その職人が声を上げてもたかだかことがしれます。
その声は大工場には伝わりにくいのです。目ざとい人だけが、その技や考え方を取り入れようと耳を澄ますだけです。
 
私の戦略は、学校を基盤にすることです。今度の公開はその為の布石です。別にうちの学校で全員が「学び合い」で授業をしているだけではありませんし、自分ではそうしているつもりでも全く反対のことしている方もおられます。でも、公開するのは、それを機に先生方の意識を高めることです。そして、多くの先生方と話をすること、西川先生の話を直接聞くことです。ですからこられる方々よりも我々の方が実はメリットが大きいのです。
 
この布石の次は、学校間のつながりです。学校と学校が繋がることによって、「学び合い」は数十倍にも加速することが予測できます。しかし、まだ多くの先生方は、研修主任というポジションにあるわけではなく、そうした学びを「個人レベル」で考えています。学校に「学び合い」があれば毎日話ができるのです。年に数回の「学び合いの会」の何十倍もの情報が飛び交います。
 
研修主任になってください。そして学校と学校をつなぎましょう。それは西川先生の言うように「みんながやっているからやってみる」につながります。あそこの学校でもやっている。ここの学校でもやっている。向こうの学校でもやっている。そんなによいものならうちでもやってみましょうか。となっていくことでしょう。
 
本校は郡山市内の名だたる学校からすればあまりに無名です。でもその情報の発信源として、手を挙げました。そのための準備に3年かけました。
うちの学校で3年かかったことをぜひ1年でやってみませんか? そして学校と学校というネットワークを構築しませんか?
 
やったもん勝ちです!