人を育てるということ

私はマンションの理事長もやっています。40件以上の財産権を管理するのですからいろいろと大変な仕事が回ってきます。そのサポートに管理会社が入ります。
 
その担当の方はまだ若く、これまでも様々な失敗を繰り返してきました。昨日はとてもつもない失敗をしました。昨晩はその対応に大変苦慮していました。対応策を練るために、所長を連れてやってきました。
 
私もかなり怒っていたのですが、対応策を思いついたので次第に冷静に話ができました。その所長は、「これ以上迷惑をかけられないので担当を代えさせていただきます」と話されました。
 
彼はまだ若く、以前、夜に電話したときに、赤ちゃんの泣き声も聞こえてきました。そして何よりも真面目な性格の人であることがよく伝わります。ただ要領が悪いのです。彼を何とかしてあげたいと思っています。
 
そして、ある言葉がよぎります。
  
「担任を代えさせます。」学校でもよくある対応策です。
 
ふと冷静になって所長に次のように話しました。「あなたの部下がきちんと動けないのは、会社としての能力が低いということです。それは会社としての教育力が低いということです。つまり、所長さんの問題なのですよ。」と
 
所長さんは大変恐縮していました。そして「担当は代えさせないでください。叱らないでやってください。その代わりにきちんと彼を一人前にしてあげてください。こちらも彼とは長いつきあいで相談できる人であって欲しい。」そう話して矛を収めました。
 
対応策もあって、今日は自宅に来ていただいて少し話をしました。そして、会社の中でのとにかく仕事のことについて同僚や上司とたくさん話をしてみることを勧めました。新しい行動に移すときには、一人で考えるよりも、会社のみんなの話を取り入れて行動することを勧めました。そう、「学び合い」です。一部ですがね。
 
彼が10年後、上司になったとき部下にそういえる人になって欲しいなと心からおもいました。