名医

よくテレビに出るような名医は、その施術に関して膨大な経験を積み重ねています。例えば、心臓のカテーテル手術を年間50例する医師と1000例する医師では、その技量に違いが出るのは当然です。技量を積み重ねれば、心臓の患部にいち早くたどり着き、患者の負担も少なくすみます。
 
「学び合い」でも1万時間位実践すれば、おそらくすごい「学び合い」が実践できるようになれると思います。もちろん、100時間しか実践していないからダメだというのではありません。「よりよくしていくためには」です。ただ、スタンドアローンだと効率が悪いのは言うまでもありません。学校の中に日常的に話し合える同僚がどれだけいるかが大事だと考えます。
 
また医師もそうですが、全く新しい技術を病院に導入し、行うにはそれなりの結果を出さねばなりませんし、それをアピールしなければなりません。授業の様子でも、データーでもです。だから本校では公開をします。
 
患者は自分のクラスだけではありません。「学校」が変わらないとずっと新しい患者を受け持ち続けなければなりません。だから名医が病院のあり方を変えていくように、教師が学校のあり方を変えていかなければなりません。
 
過去の授業がベースになっているとはいえ、私も完全に「学び合い」に切り替えてからまだ3000時間位です。まだ毎日の試行錯誤が続きますし、発見もあります。でもその技術が、見方が更に深化していくのだろうと思っています。それが楽しみです。