2.一斉授業をしていると思っている人は少ない・ほとんどいない

本市(本県で)「学び合い」を広げようとすると厄介なことがあります。
 
「私はそこそこ学び合いしてますよ」
 
首都圏は事情が異なりますが、多くの地方では今の教員の年齢は高くなってきています。正教員では年齢が40歳でも若い方に入ります。
経験年数が20年となると、そこそこ授業を観てきます。研究校と言われる学校、小教研、校内研究…… 大抵は「伝え合う」とか「学び合う」とか、そうした授業が良いことは知っています。
ですから、子ども同志で学び合わせていますか? と聞かれれば
 
「取り入れていますよ」と答えます。
 
一方「一斉授業ですか?」と聞けば、「いいえ、ちゃんと子どもの意見を取り入れた授業をしています。」と答えます。
私なりに、授業については考えてきましたよ。いろんな「方法」があって
自分なりにアレンジして、今の授業をやっていますよ。
 
それが本音でしょう。
これが「学び合い」のきちんと広がらない大きな壁となると考えます。
 
ですからそれなりに自信のある先生が大抵です。
「そんなにひどい授業はしてませんよー」と。
 
私は、多くの授業で黒板側からビデオに撮影していきました。
そうすると始めは教師の教材で目を輝かせていた子どもたちが
次第にうつろになって行く様子が毎回のように見られました。
しかし、授業者本人はそれに気がつきません。
(まあ、自分の授業だってひどいもんでしたが)
 
 
そこそこ授業を観てきて、それらを取り入れてきている先生方にとっては「学び合い」も一つの方法に過ぎず、「もう少し子どもたち同志で学び合わせればいいのね」と誤解される方がほとんどでしょうね。
 
でもビデオをプレイバックしていけば、それがたいていの場合、「独りよがりの一斉授業」であることが分かります。