学び続けるということ

郡山市の小学校では新入生である小学1年生に対応するスタートアップカリキュラムが始まります。スタートアップカリキュラムとは、幼稚園や保育園での学びや生活と小学校1年生の学びや生活をシームレスにするカリキュラムです。おそらくはじめは、幼稚園や保育園の生活に合わせることが中心になると思いますが、それをうまく発展させていけば子どもの学びと発達を積み上げることができ、小学校のスタートから学習が加速できる可能性を持ち合わせていると僕は考えています。これまで何度か書いてきたように、我々小学校教師は幼稚園や保育園に学ぶことがとても多く、幼稚園や保育園は決して「下位」だと僕は考えていません。
 
よく中学校の教師が「○○ができない」とか「○○をしっかりと指導して欲しい」という話を耳にします。また小学校の教師が「中学校で苦しまないように」「中学校につなげるために」と言った話をするのを聞くこともあります。 
でも中学校に上がってきた子供の集団が偏差値が平均が40くらいだというならまだしも、50程度なら小学校としてはきちんと指導要領に沿って学習時間+宿題をこなしてきているはずです。これは我々小学校教師が、幼稚園や保育園で鉛筆の持ち方や名前も書けない子どもが上がってきているという「ぼやき」と同じようなものです。
 
逆に高等学校からすれば、「中学校で一体何を勉強してきたの?」となりますし、大学の先生からすれば、最近の学生は「算数もできない」という「ぼやき」につながります。これには何の価値もないのです。
 
インタラクティブカリキュラムの実践が教えてくれるのは、学習スキルなんて忘れて当然だし、一回教えて分かるはずないということです。インタラクティブカリキュラムは「教科のスキルを分解して、何度も何度も学び直せる状況をつくらなければならない」ということなのです。
 
ですから中学校の教師が、「分かっていないな」と感じたら、小学校でどんな形で学習をしてきているのか、どんな系統性を持って今の単元につながっているのか、そしてその単元の理解を深めるために、そのスキルをどう活用していくか考えていくべきなのです。
 
基礎学力が弱いと感じた大学では、その基礎学力を引き上げるためのカリキュラムを組み、効果を上げています。同様に僕が以前勤めていた小中一貫校の社会の先生は熱心に小学校の教科書を読み、その教科・単元の関連性や小学生がどのように学んでいるかを学び、子ども合わせた授業を展開しておりました。
 
子どもにとっては学びとは連続なのであり、本当はそこに小学校とか中学校とか高等学校と言ったギャップなどはないのです。そのギャップを作り出しているのが教師であることを私たちは自覚していくことが大事なんです。