インタラクティブカリキュラムとは?

インタラクティブカリキュラムについては何度か書いてきましたが、今日の4年生の授業について書いてみます。
 
今日の子どもたちの理科の授業ですが、机の上には国語の教科書とノートも乗っています。理科は「物の体積と温度」つまりボイルシャルルの法則を実験で学びます。全単元では空気と水について圧力と体積変化について学んでおります。
 
一方、国語では光村図書の「アップとルーズ」、説明文としては、「これぞ教科書!」と言える、とても分かりやすい説明文です。この単元では、サッカーの試合中継についてアップとルーズにしたときのメリット・デメリットについて「対比」して比べ、内容を理解していくという単元です。
 
話はそれますが、国語の説明文教材で授業公開されたものをみると、単元の目的とはかけ離れて、説明文理解に走っている授業を多く見かけます。この授業だとアップとルーズの映像を見せて、アップとルーズとはどんなものか「教師が分かりやすく説明してあげる」という訳の分からない授業なんていうのもあります。単元の目的はあくまで「対比」という構造です。
 
通常「対比」の構造をその説明文を用いて理解したとして、普通の授業ではそこで授業は終わりとなりますが、インタラクティブカリキュラムは「そこから」始まります。この「アップとルーズ」で「問いかけ」「対比」「まとめ」の構造理解に2時間。そして、その対比構造を使って理科をまとめ、そして単元の見通しを立てていきます。
 
「どういうことか?」
 
対比構造を用いて、圧力と体積の変化をマトリクスでまとめます。空気と水、そして押したときに様子を対比のマトリックスでレポートにまとめていきます。また温度と体積については、空気・水・金属そして、温度の上・下で6つのマトリックスを作り、予想・まとめを立てていきます。
 
こうした授業で理科の授業は国語へと変化し、国語は理科へと変化します。お互いの学習スキルが行ったり来たりするのです。これを我らは学習の「インタラクティブ化」と呼んでいます。
 
理科はこの後、「問いかけ」「対比」「まとめ」の構造で説明文にまとめられてきます。僕は今回はやっていないのですが、社会科でやろうと思えば、開拓前と開拓後でマトリクスを組んで整理していくことも考えられます。
 
インタラクティブカリキュラムはちょいと構造が分かれば、教科や単元というものを劇的に変えるだけの仕組みを持っているんです。