古田くんありがとう!

福島県の教諭を退職されるので実名でいいですよね。
 
彼が本校に来たのは2年前。実は赴任する2年前には奥さんが講師として本校に1年在籍していました。そのときから子どもたちが学び合う授業を奥さんを通じて聞いていたと言います。その第一印象は「そんなのだめじゃん!」だったそうです。
 
ですから最初に、私と授業の話をしたときにいきなりイヤな顔をされたのを覚えています(笑) 私もちょいと意地悪く、
「国語じゃなくて算数とか他の教科で授業やってみて!」
「どうしてですか? 国語じゃいけない理由ってあるんですか?」
「だって小学校教師だもん、何でもいいでしょ?」
「納得いきません。」
こんなやりとりをしていたことを思い出します。
  
「じゃあ、授業をする前おいらの授業を見に来なよ」
「自分の授業はどうすればいいんですが?」
「自分たちで進めてて!って言っておいて。」
 
彼が変わったのは、私の授業を見た後、自分のクラスに帰ったら子どもたちが一生懸命に授業を進めていたその姿を見たときだそうです。
 
彼のすごいところは、そこから徹底的に自分の授業を磨き上げようと一生懸命だったことです。おそらく同年代の他の先生の何倍も授業のことを考え、試し、うち砕かれ、おいらにはだめ出しをされ、嫌みも言われ、それでも真摯に「やり続けてきた」ことです。
 
私もちょうど彼の年齢の頃に「学びの共同体」について友人の先生と毎日のように夜遅くまで議論を交わしていたことを思い出しました。
 
「三十而立」
 
彼にとってまさに自分の道に向かって歩み出した2年間だったのだと思います。本当に彼は「努力家」なんです。そうした彼にインスパイアされて私もこの2年間、いい議論を交わすことができました。私もまた、彼に学ばせてもらったことが多い2年間でした。私も彼に感謝という言葉では表現できないほどたくさんのものをいただきました。
 
古田さんはこれから札幌市の小学校教諭として、新たにスタートを切ります。すごく寂しい限りなのですが、彼が独り立ちして新たにその道を歩み出すことを応援したいと思います。
 
どうぞ北海道で勤務されている方は、彼とつながってみてください。実にすてきでまっすぐな人間です。多くのことを彼から学べると思います。