教師の道

問題が起こらない教室なんてないのよね

僕のクラスでは定期的に生徒指導の問題が起こります。そんなことを言うと「坂内先生のクラスでもそんなことがあるんですかぁ。安心しました。」と言われる人がいます。僕からしたら子どもなんですもの、対人関係に問題が起こらないはずなんてないんです。問…

パッチを当てる2

前回はパッチを当て続けることは何にもならないことを話しました。 自転車のチューブに当てはめると、自転車のチューブがしっかりしていればパンクしてもその穴をきちんとふさぐと何年も問題ありませんよね。でもゴムが劣化してパンクしていたらどうでしょう…

パッチを当てる

windowsは毎月OSの穴にパッチを当てて、セキュリティーを維持しています。ウイルスの進化には到底追いつかず、新しい穴が見つかり次第、どんどんパッチを当てていきます。 学校や学級も健全であれば、数枚のパッチを当てれば水のもれは防げます。また、こう…

怒鳴る

子どもはいろいろと予想外のことをやらかします。中には「それはあまりにもひどいなぁ〜」と思えるようなこともあります。もちろん教師も人間ですから腹が立ちます。下手すると家族以上に子どもといる時間が長く、そして身近なものですから余計に腹が立つも…

蛸壺

先日、東京の教員を退職された方と飲み会でお話した時、その方が「東京都の現状」を表す言葉として「蛸壺のようなものだ」という言葉がとても印象的でした。 首都圏では団塊の世代が大量退職を向かえたために、職員室の半数近くが20代で占められる学校もある…

アダプティブに授業するとは?  その1

アダプティブ授業。 つまり「どんどんやってみて、子どもたちの状況や理解を判断しながら授業を展開していく」そんな授業です。 もっともイメージしやすいのは、実は体育です。 今、子どもたちは「サッカー」の授業に取り組んでいます。通常、サッカーをする…

僕は何をやっているのか 最終回「アダプティブ戦略」

僕は何をやっているのか。 僕は以前から言っていたように、学びの共同体で分からなかった最後の鍵を『学び合い』の中で見付けることができたのです。これはブログでも何度か書いてきたと思います。僕の授業は学びの共同体の一つの完成形だと自分では考えてい…

僕は何をやっているのか その4「方法と人間を超えて」

話しを続ける前に、どうして「学びの共同体」も『学び合い』も授業者によってゆらぎが大きいのか、その話をしたいと思います。 子どもの学びを主体とし、教室の子どもの話(学び)をコントロールする「学びの共同体」では、そのコントロールがうまくいきませ…

僕は何をやっているのか その3「方法なのか人間なのか」

昨日に続く前に、法則化(TOSS)について少し。指導法を全国の教師から集約したその手法は見事だと思います。さらにネットの時代とみるや、全国の法則化教師に呼びかけタケノコのようにHPを開設して、指導法の普及に努めました。何よりも僕が注目するのは、…

僕は何をやっているのか その1

この2年近くずっと自分の授業については言葉でうまく説明することが出来ませんでした。 「とんたんさんは、学び合いの方ですよね?」と言われると 「いいえ、違います。以前はそうでしたけど。」と返します。 「では、今はどんな授業をなされているんですか…

僕は何をやっているのか その2「方法なのか人間なのか」

僕は教育史のことはよく分かりません。ですから僕が現場に立ったころ(20数年前)に見えてきた景色から、今日までの教育について、僕が知っている部分で話しをしていきたいと思います。 ※「そこは違うんじゃないの?」とか「もっとこんなのもある」と思わ…

子どもは馬鹿じゃない

これは特に幼稚園教諭や小学校教諭が大切にしなければならないことです。 よく子どもに「○組は早いね」とか「○○さん、手の上げ方が上手だね」「女子はちゃんと整列できて偉いね」とか言いませんか?全校集会や行事などでよく使う方法ですよね。でも僕は「大…

格下?

ある方からのあるメールを受けて。 日本の教育の世界では、ロースクールを格下に見る傾向があります。僕も何度か授業参観で意見を申したら、露骨に「中学校の先生にしか分からないような中身なので小学校の先生には指摘されたくない」というようなことを言わ…

学習支援員とのちょっとした会話

今日も特設勉強部を行いしました。なかなか手が回らなかった3年生のある子どもたちの学びに火が付き、バリバリと勉強しだしました。 「あっ、この子はこんな声をだすのね?」って言うくらい言葉を出しながら、生き生きと学びます。 何度か書いてきたように…

「やらない」という選択

学校現場もIT化により、以前よりもずっと効率よく仕事が出来るようになりました。例えば、僕が教員になったころは、まだワープロ(ソフトじゃなくてハードね)の時代で、みんな自前ですから互換性がなく、校務分掌の引き継ぎは紙ベースでした。(ちなみに僕…

学び合い型の学習は最高レベルの授業です。

以前、僕は学び合いの授業は比較的若い先生でも簡単にできるんじゃないかと考えていました。しかし、やればやるほど、こんなに難しくて揺らぎの大きい授業を若い教師が日常的なサポート無しにできるものではないと考えるようになりました。何がそんなに難し…

なぜ勉強するの? →答え:おもしろいから

何度も書いてきたけど、若い先生に向けて定期的に書きます。 シール、ビー玉貯金、カードなどなど。 僕は極力やりません、使いません。 シールなんてこの20年間で2〜3度買っただけです。 よく「こんなシールもらえるって思ったら子どもも喜ぶよね」なんて会…

反転授業

僕のようなたまーーーーに料理をする人と、プロの料理人との決定的な差は、揺らぎなく同じ味にできるということです。例えば酢豚(いわゆる日本風酢豚ね)。季節によってタマネギもピーマンも食感が異なります。さらに豚肉だって、個体差があって、毎日同じ…

結局は授業

荒れている子どもたちにずばり聞いてみました。 「荒れているもっとも大きな原因は何?」 「ん〜〜〜、やっぱり授業かな・・・」 僕が見る限り、小学校で学級崩壊しているクラスは、はっきり言って授業がルーズです。2つの点で。 一つは子どもの状態を把握…

共同学習に何が足りないのか

今日は近隣の学校の授業公開に合わせて、ぜひお話を聞かせて欲しいという県外の先生からお声をかけていただき、1時間ちょっとですが話をさせていただきました。その振り返りをまとめたいと思います。 授業、とりわけ共同学習をするためには大きく2つの絶対…

後援会

高橋さんのエントリーがおもしろいので、そこにかぶせます。 http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/nao_taka/20130926/1380204828 僕は学習の仕組み作りが好きなので、既存の学習だけでなく、新しい実践も取り入れてどんどん楽しみます。しかし、こうした実…

問われること、そして答えること

僕の授業を観た多くの方からその場でたくさんの振り返りをいただきます。 その人の感じたこと、そして違和感(西脇KAIに参加してからこの言葉がブームですね)を僕は受け止めます。とりわけ違和感はとても大事な振り返りです。その問いに対してすぐに答えら…

教師とは孤独を愛する仕事

最近は、現場でもチームティーチングで行うことが多くなってきています。しかし、授業の9割では教師が一人で授業をすることになります。また、瞬間的な判断、そして行動はやはり「自分」なのです。そこに責任を持つ力のない人を教師とは呼びません。 教師は…

始めから「教師」なんていない

今日話したことをメモ 僕の2回目の教育実習(僕の出た大学では3年生で附属、4年生で一般公立校で行います)は昭島市でした。今日、電車で昭島市を通過したときにある出来事を思い出しました。4年生の実習では昭島市の小学校に配属になったのですが、その…

スピード

この年になると校内のほとんどの校務分掌を経験します。僕のような人間でさえ、体育主任を任されたこともあります。最近では、授業研究よりも生徒指導主事としての仕事の方が校務分掌のウエイトが多くなりました。 この校務分掌で最も大事にしていることは「…

どんな保護者も一生懸命なのです

私たち教師は、子どもの勉強(宿題)から、学習の準備、さらには事細かな生活の規則まで保護者に多くの対応を求めます。 こうしたことを本当に的確にこなし、さらには抜けだらけ僕をフォローしてくださる素晴らしい方もいらっしゃいます。一方で、仕事や生活…

うらみます

中島みゆきの「うらみます」のフレーズが頭をぐるぐる巡ります。今回はかなり厳しい話をします。 僕たち教師はプロフェッショナルでなければならない。僕たちは子どもを成長させることの対価としてお給料をいただきます。しかし、学校というものは怖いもので…

教育は人

ある若い友人の先生がfacebookにアップした内容です。@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 「教育は人」だとは思う。だけど、一方で人に頼りすぎない学校のあり方も考えていかないと、立ち行かない。だって皆が皆、そんな立派な人間ではないのだから。 教師も子…

若い先生はどこを大事にすべきなのか?

昨日の続きです。実践をまねることではなくて、実践する教師の姿を受け止めることが大事だと述べました。これってどんなことなのでしょうか。今日はそんな話。 実践のトレースはなかなかうまくいきません。もちろん瞬間的、短期間ではうまくいくこともあるで…

若い先生が焦る必要なんてありません

各都道府県でそろそろ1次試験の結果が出る頃だと思います。 おもしろいのは講師の先生に「どうだったの?」って聞いたときに 「そこそこ出来ました!」って言う先生は大抵落ちていて、 「分からないところがあったんで不安なんです」という人が受かっていま…